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毎日使うものだから、安心して使えるように。
子どもが触れても痛くないように。
実用性だけでなく手に触れたときの心地よさも届けたいと考えています。
なるべくトゲやささくれが出ぬよう一本一本 手で確かめながら
ひごをとり、ていねいに山の恵みを暮らしの道具に仕立てています。
手にしてから何年経っても、飽きのこないシンプルな佇まい。
使うほどに手に馴染み、年月とともに愛着が深まっていく。
華美ではないけれど確かな存在感を放ち、毎日にそっと溶け込む。
私たちがつくるのは、そんな暮らしの道具たち。
北海道の厳しくも豊かな自然が育む「根曲がり竹」を材料に、私たちは籠を作っています。
紅葉に染まる山中、熊よけの鈴を鳴らし「ホイホーイッ」と声を上げて野生動物に人の存在を知らせ
ヒグマが暮らす山へと分け入ります。
竹伐り(材料調達)は紅葉が色づきはじめる頃から始まり、年にわずか二ヶ月弱。
そのうち、山に入れるのは天候に恵まれた日だけ。
道なき急斜面を進み、下草や倒木をかき分けながら、一本一本丁寧に竹を伐り出します。
自然と向き合い、命を懸けて竹を伐り、籠を編む
――そのすべては、この土地の恵みとともにあります。
竹は成長が早く自然に還るやさしい素材。
人の手で編まれ、さまざまな用途で古くから私たちの暮らしを支えてきた竹細工。
その歴史は古く、江戸時代から日本各地でつくられ、籠や笊、箕など生活道具として長く親しまれてきました。
風を通し、しなやかで軽くて丈夫——
自然とともに生きる知恵と竹ならではの特性が、道具としての美しさと実用性を育んできたのです。
土に還る素材で、今の暮らしに寄り添うかたちを。
作り手が減少する昨今、そんな思いを込めて竹細工を未来へと繋げていきたいと願っています。