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製作工程
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製作工程

PROCESS

一つのかごが出来上がるまでには、採取から始まってひごにするまで
つまりかごが編めるようになるまでの竹ごしらえ(材料作り)に多くの時間を費やします。
編むのは最後の最後。

竹ごしらえは、つくり手のこだわりが最も濃く表れる部分です。

根曲がり竹は節が多く曲がりも強いため、扱いが難しい。
繊維の流れの微妙な癖、指先に伝わるわずかな感覚――
竹の声に耳を澄ませながら、手の感覚を頼りにひごをとる。
籠を編む材料が上手く出来なければ、良い籠は出来ないのです。

ここでは「椀かご」が出来上がるまでの工程をご紹介します。

椀かごが出来るまでの

11PROCESS

竹伐り

1. 竹伐り

古来から伝わる竹細工では材料採取の時期が決まっています。
地域やその年の気候の変化によっても異なるが9月初旬から根雪になるまでの11月半ば頃までが伐採の好季節・最適期。
ひとつの籠をつくるにしても、部位ごとに適切な年齢の竹を使うのは、根曲竹細工が持つ特徴とも言えます。
竹の硬軟は主に年齢によるもののため、かごを作る上で竹の年齢を知ること、見極めることが大切。

竹皮をとる

2. 竹皮をとる

竹を伐り出し、山から下りた後も作業は続く――
私たちはかごになったとき手触りの良さを追求するため、竹を割る前に節ごとに覆う竹皮を取り除きます。
竹の表面を傷つけないように注意しながら丁寧に。

磨き(洗う)

3. 磨き(洗う)

伐採後の竹の表面、特に節のところは竹から分泌された油や土の黒い汚れ、塵・埃が付着しています。そのまま材料をとることもできますが、この汚れを洗い落すとたちまち自然の竹の色・艶が美しく輝きます。
採取から竹を磨く(洗い)までがひと段落する頃には本格的な冬が訪れます。

竹割

4. 竹割

一本の丸い竹を半分に割ります。(大割)
半分に割った竹をさらに半分、または三等分に割り、希望の竹ひごの幅に近づけていきます。(小割)

剥ぎ

5. 剥ぎ

実際にかごの材料として使うのは皮の部分のみ。
鉈で竹の内側(身)を剥ぎ、皮と身を分けると同時に幅と厚みも粗方揃えていきます。

幅を整える

6. 幅を整える

前工程でほぼ望みの幅と厚みですが、これをさらに整えてトゲやささくれのない手触りの良い竹ひごに仕上げていきます。

厚さを整える

7. 厚さを整える

わずかな歪みが後の編み目に響くため、一本一本丁寧に整えます。
竹による硬軟の違いを手の感覚だけを頼りに仕立てていきます。
すべての工程を終えた竹ひごは艶々と輝き、それだけで美しい。

底を編む

8. 底を編む

伝統的な技法のひとつ「六つ目編み」で底を編みます。

腰立ち、胴・高台を編む

9. 腰立ち、胴・高台を編む

底から胴へと立体的に編み上げるために腰を立ち上げ、形を整えながら籠の胴(側面)を編んでいきます。

胴部分は底を編んだひごを折り返して目をつぶすように編み、そのまま上底になる部分を繋げてを編んでいきます。

縁をつける

10. 縁をつける

一本の竹を半分に割り、籠の大きさに合わせて加工し外縁・内縁で挟み込み、針金で仮止めをします。
籠に合った太さの竹を選び、火で炙って曲げ(火矯め)形を整え、若竹(巻竹)を使って籠に取り付けます。

縁を巻く

11. 縁を巻く

縁巻き用の若竹を加工し、緩みが出ないように丁寧にしっかりと引き締めながら巻いて完成です。

竹を生かす、手を尽くす。

竹を生かす、手を尽くす

山の恵みを活かし、人の手で丁寧に作られてきたその暮らしの道具たちは、先人たちの知恵と自然への敬意が宿っています。
長年愛されてきたその形を受け継ぎながら、現代の暮らしに寄り添うかたちに。
素朴で丈夫、そして美しい――